総入れ歯とは
総入れ歯(総義歯)は、上下の顎のすべての歯、あるいはどちらか一方の顎のすべての歯が失われた患者さんに装着される入れ歯です。
総入れ歯の特徴
部分入れ歯(局部義歯)とは異なり、総入れ歯を装着される方には歯がなく、歯茎の土手(顎堤)の上に総入れ歯を乗せているため、口の中に安定させるのが大変難しくなります。
特に下顎の総入れ歯は、上顎に比べて土手(顎堤)の面積が狭く、舌の動きの影響も受けやすい等の悪条件が重なるため、入れ歯の安定が得られにくいのが特徴です。
総入れ歯を安定させるには、入れ歯の内面を、唾液を介して土手(顎堤)に良好に適合させること、入れ歯の面積をなるべく大きくすることが挙げられます。しかし、最も重要なことは、上下の咬み合わせを理論どおりに製作することと考えています。
総入れ歯の安定のための条件 |
1.バランスの取れた上下の咬み合わせ (土手に合わせた歯並びの位置) |
2.土手との良好な適合性 |
3.入れ歯の面積 |
総入れ歯の種類
総入れ歯は、人工歯(白い色の部分)と義歯床(ピンク色の部分)によって構成されており、義歯床にはレジン床(プラスチックの入れ歯)と金属床(金属の骨組みが組み込まれた入れ歯)とがあります。
保険では基本的には、レジン床しか使用することができません。レジン床義歯の場合、強度を担保するには分厚くならざるを得ない場合があり、その場合は異物感が強くなってしまいます。
金属床の利点は、レジン床に比べ薄く製作しやすいため、異物感が少なく、義歯が壊れにくいことなどが挙げられます。欠点としては、費用が高価なことと、修理が困難な場合があることです。当院では、特に金属床を勧めていません。